Category: 給食の話 Tags: ---
中学生は背が伸びる時期。
小学校で伸びきってしまう子もいれば、高校になってから、少数派でも社会人と言う人もいるだろうけど、中学時代は成長期に間違いない。
どちらかと言うと、女の子は縦よりも横に伸びる時期。
ちょいとダイエットのことも気になるお年頃。
それに対して男の子は、ふと見かけると「あれっ、あの子ってあんなに背があったっけ?」と思うくらい、知らない間にヒョロヒョロ〜と上に伸びてることが多い。
こう思うのは夏休み明けの9月に多い。
程よく日焼けして、背が伸びて、だんだんと子どもっぽさが抜けていく。
「背が伸びたねえ」と声をかけると、「どれくらい?」と反応する生徒もいて、「う〜ん、人参1/3本分くらいかな」とか「牛乳パック1個分」、さほど伸び率がない子には「もやし1本!」なんて言ったりして。
すると生徒は、食べ物にたとえられるのがよっぽど嫌なんだろう。
苦笑いをしたり、センスねえなあって顔をされてしまうこともしばしば。
秋になれば衣替えの季節、去年の冬の制服がツンツルテンになってるのはあの子と、あの子と・・・
伸び盛りは食べ盛り。
ガツガツ食べてくれるのが嬉しい、給食のオバちゃんなのでした。
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Category: 給食の食材 Tags: ---
日本語の特徴の1つは、食感を表す言葉がとても豊富なこと。
カリカリ、ツルツル、サラサラなどなど数え上げればキリが無いし、新たにどんどん食感を表す言葉が生まれている。
これを初めて知った時、思わずなるほどな〜と感心してしまった。
生徒たちは柔らかいものが大好き。
だからプニプニとかモッチモチが売り文句になっている、最近の食材や料理が流行るのもうなずけてしまう。
しかし、同じ柔らかいものでも、グニョとかグニッは敬遠されてしまう。
こうなる可能性が大きい食材は茄子。
余熱で火が入る食材は茄子だけでないけれど、茄子は加熱調理してからどんどん余熱で柔らかさが増してしまう。
それだけでなく、茄子特有の鮮やかな紫色もどんどん退色してしまうと、見た目もちょいとフクザツに変化する。
それもあってだろう、生徒たちには茄子は天敵食材の1つになっている。
これからの季節、茄子が美味しくなってくる。
生徒の好みだけでなく、作る側も給食では調理から食べるまで時間が経ってしまうから、これほど加熱が難しい食材は無いだろう。
生徒たちは麻婆豆腐は食べるけれど、麻婆茄子は眉をしかめる。
さて、今月末に予定している麻婆茄子。
眉をしかめさせないためにはどうしようか。
素揚げを半分の時間にして麻婆の中に投入、調理さんたちとこれでチャレンジする事にした。
はてさて、これで生徒たちはどういう反応をするだろうか。
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Category: 献立の話 Tags: ---
現在の学校給食、主食は米飯が中心になっている。
1週間に5回の給食があれば、3〜4回はごはんで、残りの1〜2回は麺かパンの献立になる。
これは過去に何度か書いていることで、今も変わっていはいない。
在校生の好みも1年ごとに変わると言っても過言ではないので、同じお米でも「白ごはん派」が多い時もあれば「混ぜごはん、丼もの派」の勢力が強い時もある。
とはいえ、米飯はそれなりの回数があるのだから、連チャンで白ごはんや丼を続けなければ、生徒をなだめたりすかしたりは比較的容易にできる。
しかし、パンや麺類は回数が少ない。
中でも麺類は生徒から絶大な人気を誇っているので、好みの麺献立の日は、それだけでヒャッホー!とテンション上がりっ放し。
和のうどん、洋のスパゲッティも好物だけど、麺類と言えば中華が圧倒的に強い。
なかでもバリエーションが色々あるので、焼きそばは作る方としても作りがいがある献立。
給食で大量の焼きそばを作る時、麺は回転釜にお湯を張る、またはコンベクションで麺だけを蒸す。
材料となる肉、野菜などは回転釜で別に炒めて取り出しておく。
蒸した中華麺を回転釜に入れて塩、こしょう、酒を加えて炒め、そこに炒めておいた具を混ぜ合わせる。調味料はお好みで。さらに青のりは別配缶でクラスでかけてもらう。
で、ずいぶん前だけど、作り方も出来上がりも普通のソース焼きそばを、献立表に書く時、『屋台風焼きそば』とネーミングをねつ造。
書いたはいいけど後になって、『ねえ、何が屋台風なの?』って生徒から聞かれやしないかとビクビク。そりゃそうだ、献立名だけは『屋台風』とつけたのに、何が違うのか作った本人が聞きたいくらいだもの。
そんな小心者をあわれに思ったのか、誰からも聞かれることなく焼きそばを平らげてくれた生徒たち。
やっぱ説明がつかないことをしちゃいかん、と反省した・・・ような気がする。
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Category: 献立の話 Tags: ---
献立の名前は分りやすく。
これは学校給食の献立だけでなく、街中の飲食店でも同じことが言えると思う。
分りやすいという意味とはちょい違うかもしれないけれど、略語になると意味不明、アルファベットが並ぶだけになるとさらに加速して『何すかそれ?』、って料理名もある。
思いつく代表例はBBQ(バーベキュー)、BLT(ベーコンレタストマト)の2つ。
全部書くと長くなるための略語(省略?短縮型??)なのかもしれないけれど、アルファベットが並んだだけで料理名を想像するのは難しい。
9月の献立では、『鮭のバーベキューソース焼き』があり、はて、これを献立表に書く時は『バーベキュー』にしようか『BBQ』にしようか一瞬迷ってしまった。
分りやすく正確に、という意味では絶対に『バーベキュー』と表記すべきだろう。
でも、もしもこれから世間に出て『BBQ』と書かれた料理名を前に呆然と立ちすくんだらどうしようか?
そんな無駄なこともつい考えてしまい、献立表記は『鮭のバーベキューソース焼き』、一言メモとして『バーベキューはBBQと略すこともあります』と書く事にした。
実際に『な〜んだそうなのぉ!』の実体験を持つワタクシなので、ここは1つ給食のオバチャンの老婆心ってところかな。
もしかしたらイマドキの東京の中学生、無駄な心配、そんなこと今更なんだよねえ、なんて言われたりするのかも、たはっ。
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Category: 献立の話 Tags: ---
9月19日は中秋の名月、つまり十五夜。
毎年、十五夜ネタは必須なので、今年も飽きずにこの話が登場。
おたぬきカレンダーでは、十五夜と聞くと10月のイメージがあるのだけど、実際はほとんど毎年9月で、10月になるのは数年に一度くらい。
思い込みってのは恐いもんです。
給食の献立は、芋名月にちなんで里芋ごはん・・・が本来なのだろうけど、生徒たちがホクホク顔をするのはさつま芋ごはん。
それにデザートは白玉団子をお月様に見立てたお月見ゼリー。
そう、ほとんど毎年変わらないのだ。
何か他にあるだろうとウンウン唸っていると、先生たちからは『いつものでいい!』、生徒たちも『いつものがいい!』のリクエスト。
どうも栄養士というのは、あれこれ画策し過ぎて自滅パターンが多いらしい。
素直に定番は定番でいいんだよね。
来年のお月見は9月8日。
やっぱり同じネタ、同じ献立となることでありましょう。
※台風18号。
東京の私の住む地域は、ビュ〜っ!と風が吹き、ザ〜っ!と雨が降ってオシマイ。
そんな感じでしたが、みなさまのお住まいの地域は如何でしたでしょうか?
被害無く過ごされているといいのですが・・・
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Category: 給食の食材 Tags: ---
8月のお盆の頃から梨がおいしくなってくる。
そんなこともあって、2学期の給食が始まり果物を選ぶ時、真っ先に名前がでてくるのが梨になる。
最近ではもう1つの梨、洋梨だって栽培量も品種も増え、お金持ちの人しか食べられないというイメージは少なくなってきた。
それでも梨と言えば、独特のシャリシャリした食感でおなじみの『あの梨』になるだろう。
シャリシャリ食感と甘みが特徴の梨は、古くは弥生時代から食べられていたそうだ。
日本の気候風土とよっぽど相性がよかったんだろうなあ。
生徒たちも梨が苦手という子どもは少ない。
まだ暑いと、タップリの水分とスッキリした甘みを持つ梨はおいしいし、幸水、豊水、二十世紀だけでなく、様々な品種があるから選べるのもいいところかな。
で、給食では肉の漬け込みでも、すりおろした梨を加えている。
キウイや南方系の果物と同様、梨もタンパク質分解酵素を持っているため、ほんの少量でも下味と一緒に肉にまぶしておくと柔らかさが違ってくる。
そのまま食べても調味料としても大いに活躍する梨。
生徒たちには、柔らかくおいしくなった肉の大きさだけが問題なんだろうなあ。
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Category: 日々の出来事 Tags: ---
2020年、東京オリンピックが現実のものになった。
土曜の夜は『どーせニュースでやるんだから、結果はそれでいいさ〜』と思って寝たはずなのに、なぜか5時頃に目が覚め・・・
いつからかは覚えていないけれど、東京では公共機関だけでなく、電車やバス、あらゆるところにオリンピック東京招致のポスターやステッカーがあった。
学校にもオリンピック関係の冊子や『目につくところにおくように』と小さなノボリまで配られていた。
やはり自国でオリンピック開催は素直に嬉しいし、今から選手たちの活躍も楽しみ、さらにはできりゃ冥土の土産に会場でライブで見たいとか期待感がググッ!と高まってしまった。
様々な整備や計画で東京は大きく変わっていく、経済効果も各方面にあるだろう、そんな今後の話を聞きながら、栄養士とオリンピックは何か関係があるだろうか?とふと思ってみた。
前回の東京オリンピックでは、短期集中で大人数の食事を賄うため半年前から準備をする必要があり、冷凍食品の技術が飛躍的に発達した。
医療、衛生管理でも優れた技術を持っているし、7年後には冷凍やレトルト技術以上のものが生まれるかもしれない。
さらに今ではアスリートのための栄養管理は当たり前の時代だし、若い栄養士には商品開発や管理の道が広がる可能性もある。
インフラや生産面で、東北の復興にも関われる要素だって沢山あるだろう。
食品を扱うことで出る大量のゴミ処理をクリアする、画期的なアイディアはどうなんだろうか。
などなど、食に関わる部分も色々出てくる。
今はまだ日本で、東京でオリンピックが出来る興奮の方が大きいのは確か。
でも、オリンピックはアスリート以外の若い人たちにも、大きなチャンスの場でもあると思う。
国を揚げての大プロジェクトなんだなあ、と『トーキョー』と読み上げられたニュースを繰り返し観ながら思ったのでありました。
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Category: 給食の話 Tags: ---
私が勤務する学校は、昭和の趣がそこかしこに残っている。
校舎だけでなく、呪いの森の様な大木もかなりの数あり、都内の学校でありながら自然観察には事欠かない。
なので鳥や蝶もやって来るし、もちろん虫も各種取り揃えて仰山定住している。
今年はスズメバチの当たり年だったようで、春過ぎ頃から何度も巣を駆除してもらったりしていた。
虫と言えば、新聞やテレビ報道で、5月に世界の食糧危機を回避するための方策として『昆虫食』が発表された(国連食糧農業機関(FAO)。
これを聞いた時、ええええ〜〜〜〜っ!であり、なんじゃそりゃ?!だった。
確かに日本でも長野県はイナゴや蜂の子を食べる習慣があるのは知っている。
しかし、世界レベルで昆虫食って???
FAOによると、世界で少なくとも20億人が伝統的な食糧として昆虫を摂取していて(甲虫(31%)、芋虫(18%)、蜂・蟻(14%)、バッタ(13%)など)、たんぱく質や脂質、カルシウム、鉄分、鉛分など栄養面でも高い評価がされているらしい。
何十年後には世界人口が爆発的に増え、食糧の奪い合いが起きる。
などと言われているだけに、う〜んと考えてしまった。
しかし、真意は既に昆虫を食文化としている地域を拡大しましょう、ということだけではなさそうだ。
家畜飼料で多く使われている魚粉を昆虫で代替できれば、人間の食べる食糧増産と同じ意味がある、ということも含まれているらしい。
私はチビッコの頃は虫を触るのはヘッチャラだったけど、さすがに今では好んで虫を触る事は無いし、さらにわざわざ食べることも無い。
でもこれって今の時代の日本に生まれ、育っているからであり、場所や時代が違っていたら事情は変わってたかもしれない。
昭和のお子チャマは、食べ物を粗末に扱うと目がつぶれる、と言われて育った。
それでも大人になるにつけ、好みでないものは箸を付けないこともしばしば。
さらに仕事では、毎日、『食べ残し』を捨て続け・・・
今の中学生が大人になり、親になり、年金をもらう頃、日本人は何を食べているんだろうか。
ツクツクボウシが鳴く校庭を眺めていたら、昆虫食を思い出したのでありました。
※森林の産出物は飢餓との闘いに重要-特に昆虫(国際連合食糧農業機関(FAO))
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Category: 給食の話 Tags: ---
2学期の給食が始まった。
夏休みに入ると同時にお掃除や片付けをし、8月末に給食準備を始める。
これは食器や機器類だけでなく、中途半端に余った調味料類も一緒にお片付け対象。
調味料も食べ物だし、何と言っても約40日間使うことが無いのだから、できることなら給食終了時にピッタリ使い切りたい。
なので、出し汁に使うかつお節など、可能なものはたとえ割高になってもグラム数で発注して残さないようにする。
しかし、液体ものとなるとさすがに量り売りは無いから、使うのが白ワインであっても酒で代用できそうなものは酒にして、出来る限りハンパで残らないようにしている。
とはいえ全てがこの通りに出来ないのが現実。
半端に残った調味料類は冷蔵庫に保管をする。
しかし、ほんのポッチリ残った小麦粉、片栗粉などは片付けをする時に迷わず処分。つまり廃棄してしまう。
粉類はヘタをすると粉を好む虫が発生する。
それが真夏の閉め切った室内と思うと、40日後にそれを気持ちよく使えるか?
たとえ冷蔵庫に入れたとしても、やはり同じ気持ちになってしまう。
給食は給食費で賄うから、金額の多少に関わらず無駄な廃棄はご法度。
しかし、使えるだろうなあ、というレベルでの判断はやっぱり避けたい。
調味料庫にズラ〜っと並ぶ未開封の乾物や調味料類の景色は、9月を実感するのであります。
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